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こんにちは、岡本です。高校に入学してまもなく、二度も鎖骨を骨折した私は、どんどん落ちぶれていきました


秋から冬にかけて、ある一定期間を乗り越えて来た周りの同級生は、恒例の『夏合宿と夏の遠征』を乗り越え、ひと回りもふた回りも大きくなっていました。

正面から本気で乗り越え、何十試合という練習試合をこなし、場数を踏んだ彼等を見ているのは、とても辛かったです。


同級生と練習しても勝てませんでした。


そりゃ、復活したばかりなので、当たり前かもしれません。時差ボケみたいなものは、やはりあります。

ただ、入学当初はボコボコにしていたのが、逆にボコボコにされるのはプライドが傷付きました。


あそこで、焦ることなんかなかったんだ。なんで、徳原先生に直訴して練習試合に出たんだろう。そもそも、なんで、少しばかり速いハードルで張り切ったりしたんだろう。

周りの同級生が、辛いながらもイキイキして練習試合をこなす姿を、私は鎖骨バンドをしながら見るだけしかできませんでした。


柔道を復活してから練習に参加しても、足がフワフワして、いとも簡単に投げられてしまいます。

また鎖骨を骨折するのではないかと萎縮してしまい、背負い投げや大内刈を仕掛けても、全然通じません。特に足がフワフワするのはなかなか払拭できませんでした。


同級生を中心に周りのみんなは、けがをしているときは、たくさんサポートをしてくれました。声も掛けてくれました。

ふと、小室が「焦ることはないよ。復活したら頑張れば良いんだよ。」的なことを言ってくれたのですが、それが心のつっかえを取ってくれたこともありました。


しかし、私は柔道が弱くなり、周りは強くなった。この差はなかなか埋まるものではなく、みんなの3倍練習するしかないのは分かっていますが、根性がない私はその覚悟を持てませんでした。


『なんか俺の居場所、ないな。』


また、私は部活や学校を休みがちになりました。

中学校時代の友達と遊んだり、自宅でマンガ本を読んだり、ゲーセン(バーチャ2)に行ったりして、自暴自棄になっていた時期でした。

やる気を出したり、やる気をなくしたり。

たぶん周りから声を掛けて欲しかったのだと思います。


自分のことを気にして欲しい。
声を掛けて欲しい。
練習に来いよと言って欲しい。


たしか、同級生たちは、そのうち何も言わなくなったと思います。

見捨てられた瞬間でした。

しかし、そんなとき、ある先輩からの一言が、私の背中を押してくれることになります。

『岡本はセンスはあるけど、受けが弱い。はっきり言うけど、攻撃8割、防御2割だな。ただ、だったらひたすら攻め続けて相手に攻めさせなければ良い。一本を奪えば岡本の勝ち。一本やポイントを取れなくても、相手が攻めることができなければ、岡本の判定勝ちだろ。』

その先輩は、笑いながら冗談半分に言っていましたが、私の心には刺さった一言でした。

高校2年生の春。

ここから私は、攻撃、つまり自分の得意技をとことん磨いていくことになります。


とことん落ちぶれたは私は、少しずつ自分の居場所を見つけていくことになります。次回は高校2年生の秋。ブロック大会の団体戦になります。





ブラジリアン柔術アカデミーRJJ

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