こんにちは、岡本です。メンタル第5弾です。中学3年生の夏。この頃の私は、かつて負けた相手にもそれほど苦労なく勝つことができるくらいに強くなっていました。
今回の個人戦には、もちろん小室もエントリー。お互いにオール一本勝ちで決勝戦まで駒を進めました。
「やるだけのことはやった。大丈夫。」
私が猛特訓をしている間、小室も足立学園で高校生相手に練習しています。差は縮まるどころか開いているかもしれません。
ただ、なぜか初対戦した頃に比べて、私は妙に落ち着いていました。
「はじめ!」
審判の合図で試合は始まりました。
今回の作戦は2つ。
①巴投げが来たら、側転でかわすのではなく、腰を落として防ぐ。
②先に技を仕掛ける。
組み手争いをせず、持ったら技を仕掛けるタイプだった私は、完全に組み負けてしまい、良いところを持たせてもらえません。
小室に先に良いところを持たれ、ガンガン煽られてしまいます。
「足技と巴投げが来る!」
巴投げは腰を落として防ぎました。当時はドラム缶と言われていた小内巻き込みも、予測していたのでかわしました。
組めば背負い投げか左の一本背負いを仕掛けるつもりだった私ですが、一向に良いところを持たせてもらえずに小室に良いところを持たれて煽られる。ずっとその繰り返しでした。
たった3分の試合時間が長く感じます。
「まだ終わりたくない!まだ何もしていない!」
お互いにノーポイントで迎えたラスト20秒くらいだったでしょうか。初めて私にチャンスが来ました。
ようやく右手で襟を持つことができ、ここで選択肢は2つ。袖も掴んで背負い投げを仕掛けるか、左の一本背負いか小内巻き込みにいくか。
正直、考えている時間はなく、私は後者を選択し、左の一本背負いのフリをして小内巻き込みを仕掛けました。
ただ、小室には分かっていたのでしょう。難なくかわされて不発に終わり、同時に試合終了のブザーが鳴りました。
終始攻められっぱなしで圧倒されていたので、3-0の判定で小室の勝利。勝つつもりだった私は、ものすごく落ち込みました。
負けて当たり前かもしれませんが、自分にとって出来る限りの練習をして来たのに、なぜ勝てないのか。
振り返れば、初対戦の頃は組んですぐに巴投げで技ありを取られ、そのまま抑え込みで一本負けしたのに対して、今回はお互いにノーポイントのまま旗判定。
差は縮まっていたと言えるのかもしれません。ただ、悔しくて悔しくて、自宅で涙を流している自分がいました。
この大会後、右肩を脱臼してしまい、夏の都大会につながるブロック大会には出場できず。久しぶりに高橋と対戦できるかと思っており、また、東京都で自分がどのくらいのレベルにいるのかを知るチャンスでもあったのですが、それは叶いませんでした。。
ショックで落ち込んでいた私に、最後のチャンスが訪れます。中学3年の秋に行われた足立区民大会の決勝戦で、足立三中の補欠メンバーで一番強かった、斉藤と対戦することになったのです。
斉藤は、1階級上で都大会ベスト8。相手にとって不足なし。なんと、この試合が僕の柔道人生を大きく変えることになります。
次回で中学編は最後になります。それ以降は高校編、大学編、社会人編、BJJ編と続く予定です。